久喜宮代衛生組合は、久喜市と宮代町の合わせて 108,143 人、 40,171 世帯の一般廃棄物(ごみ、し尿)を共同処理している。
平成 19 年度に久喜市、宮代町管内全域を対象とした生ごみ処理を目指している衛生組合では、現在、様々なごみ減量と生ごみ堆肥化の事業を実施している。たとえば、会社向けには業務用生ごみ処理機費補助制度があり、地域としては、生ごみ処理機を管内4ヵ所に設置している(利用世帯 389 世帯)。また、モデル地区を選定して、生ごみ堆肥化処理施設により堆肥化処理をしているなど、取り組みが幅広い。
今回、「みんなのごみ部会」では、久喜宮代衛生組合の生ごみ堆肥化施設を見学した。
この施設で、現在モデル地区 8,600 世帯の生ごみを堆肥化している。回収方法は、燃えるごみの回収日(週2回)に、分別された生ごみを「生分解性袋」に入れ集積所に出し、回収車が回収し堆肥化処理施設で一日 4.8 トン堆肥にする仕組みとなっている。この施設の特徴は、通常、畜糞や水分調整材を入れ堆肥化するが、それらが安定的に確保できないなどの理由から、生ごみだけで堆肥化するところにある。
この施設は、平成 15 年3月に完成したが、ではなぜ管内全域生ごみ堆肥化を目指したか。
平成5年、使用中のごみ焼却炉( 150 t /ha )から高濃度のダイオキシンが測定され、前年から計画のあった新炉( 200t/ha )の建設検討委員会が、8年に設置され、 10 年最終答申を提出した。計画では、当初、焼却炉の規模を 200t/ha と決めていて、委員会の検討は、場所と炉の種類のみということであったが、委員会は、これからの社会の流れを考慮し、リサイクルや生ごみの堆肥化などでごみの減量をする方向で進めば、新炉の規模は 60t/ha で良いとの答申となった。
このようなことから、燃えるごみを少しでも少なくし、焼却炉も小規模のものとなり、その代わり、生ごみ堆肥化施設が建設されることとなった(合併問題により今だ建設されていない)。また、平成 13 年には、生ごみ堆肥化推進委員会が設置され、収集システムや堆肥化プラント、堆肥の流通システムが検討されているなど、生ごみ堆肥循環の推進も計っている。
久喜宮代衛生組合は、循環型社会の構築を目指し、ごみ減量、リサイクルの推進をスローガンに「げんりょう ( 原料・減量 ) 化大作戦」を掲げ、大きな流れをつくりつつある。
ごみの減量は、燃やすごみを少なくする。それには、燃やすごみのなかで大きなウェイトである生ごみを燃やさず、資源として活かす方法を考えることが大切で、それには、自治体の高次元での検討をする組織を設置することが重要であると思われる。 |