第4回見学会報告 久喜宮代衛生組合
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日   時 平成17年 7 月 28 日( 木 )
参 加 者 合計7名
見学場所 久喜宮代衛生組合
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生ごみ処理への取り組み
1.衛生組合の概要
  設立
1961年 久喜町 ( 後に市)、宮代町の協議により一般廃棄物(ごみ、屎尿)を共同処理のため設立
  機構 衛生組合会議 20人(両市町から10人づつの議員)、管理者等(市長、町長、収入役)、
職員(事務:20人、現業職:28人)
  以下、一般廃棄物処理基本計画より
  人口 108,000人 (05 年 4 月)
  世帯数 40,171世帯 (05 年 4 月)
  衛生組合の財政 18億4800万円 (05 年 4 月)
  主な施設 ごみ焼却処理、粗大ごみ処理、プラスティック固形燃料化、剪定枝資源化、
生ごみ堆肥化処理、屎尿処理
  H16 年度のリサイクル率 43.2% /H16 年度、536tのごみ減量に成功
長期予測  H28 年までのごみ情報予測
H19 年を一つの目標にして計画
   リサイクル率60%
   焼却量はH12年比 −20%
   新設炉のダイオキシン濃度 0.01ng-TEQ/m3
   最終処分量は、H12年比 −50%
   ほとんど実現しそう 2年遅れ(合併問題)
2.経過
  S36年
組合設立
  S60年 コンポスタ補助開始
  H8年 新炉建設検討委員会設置  H10 年答申、新焼却炉、リサイクルプラザ、ガス化溶融炉
  H12年 剪定枝資源化施設完成、資源化開始
  H13年 設置型生ごみ処理機 4 台でモデル地で区開始
生ごみ堆肥化推進委員会設置
 収集システム専門部会
 堆肥化プラント専門部会
 流通システム専門部会
   H15年に最終報告書提出
  H14年 一般廃棄物処理基本計画策定
業務用生ごみ処理機購入補助
マイバッグ普及検討委員会設置
   H15年に最終報告書提出
  H15年 生ごみ堆肥化処理施設稼動(実験開始)
生ごみ堆肥化処理施設竣工
3.生ごみ堆肥化推進委員会の活動
  ■収集システム専門部会( 16 名)
  回収方式の検討 バケツ、生分解性袋
  住民への説明会 145回 7100名
  住民による排出実験 バケツ、袋の検証、水切り、混入物、排出実験
  課題:更なる住民の理解、堆肥化の手引き他
  ■堆肥化プラント専門部会( 8 名)
  袋、バケツ両方対応できる方法の検討
  水分調整資材を使わない発酵方式の検討
  堆肥化プラントメーカからのヒアリングと検証
  スクリュープレスによる水分調整方式の性能確認
     第一回実験
     第二回実験
  濃縮装置についての要望
  今後の実証運転における課題:多数
  ■流通システム専門部会( 17 名)
  製品堆肥の質、形状、生産量の推定
  農業者へのアンケート調査
  農協と衛生組合のプロジェクトチームの設置と検討
  衛生組合実験圃場における研究と成果
  課題:コストや価格、生産者の理解、堆肥の特性など
どこからでも良く見える 剪定枝受け入れ条件
担当の伊藤さん 細かく粉砕された剪定枝
一次発酵中の温度 最高80℃程になる コントロール室
発酵設備フローチャート 生分解性ごみ袋も一緒に処理
処理後の生ごみ移動作業 脱臭処理施設、殆ど臭わない
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4.見学しての意見
  堆肥施設:
臭いが強く、環境としては良いものではない。改善必要と感じた。
  剪定枝処理施設:
持ち込み枝の堆肥化、一般は無料、事業者は 10 円/10kg、2 トン/日、出来た堆肥は市民に無料配布
  焼却と堆肥化の比較
焼却:5万円/トン、堆肥化:10 万円/トン。しかし、環境/循環型社会のために堆肥化推進
  生ごみの堆肥化
副資材なし:確保が困難、完成堆肥の増加を招き処理しきれない、対象9000世帯の5,6割が協力 生分解性袋:メーカーの開発依頼、 10 円/枚、 10 枚/家庭、1200万円/年、収集は 2 回/週 堆肥化設備の維持費:2,700万円/年( 3 人) 戻し堆肥は1割程度
  K.K記 
 

 久喜宮代衛生組合は、久喜市と宮代町の合わせて 108,143 人、 40,171 世帯の一般廃棄物(ごみ、し尿)を共同処理している。
 平成 19 年度に久喜市、宮代町管内全域を対象とした生ごみ処理を目指している衛生組合では、現在、様々なごみ減量と生ごみ堆肥化の事業を実施している。たとえば、会社向けには業務用生ごみ処理機費補助制度があり、地域としては、生ごみ処理機を管内4ヵ所に設置している(利用世帯 389 世帯)。また、モデル地区を選定して、生ごみ堆肥化処理施設により堆肥化処理をしているなど、取り組みが幅広い。
 今回、「みんなのごみ部会」では、久喜宮代衛生組合の生ごみ堆肥化施設を見学した。
 この施設で、現在モデル地区 8,600 世帯の生ごみを堆肥化している。回収方法は、燃えるごみの回収日(週2回)に、分別された生ごみを「生分解性袋」に入れ集積所に出し、回収車が回収し堆肥化処理施設で一日 4.8 トン堆肥にする仕組みとなっている。この施設の特徴は、通常、畜糞や水分調整材を入れ堆肥化するが、それらが安定的に確保できないなどの理由から、生ごみだけで堆肥化するところにある。
 この施設は、平成 15 年3月に完成したが、ではなぜ管内全域生ごみ堆肥化を目指したか。
 平成5年、使用中のごみ焼却炉( 150 t /ha )から高濃度のダイオキシンが測定され、前年から計画のあった新炉( 200t/ha )の建設検討委員会が、8年に設置され、 10 年最終答申を提出した。計画では、当初、焼却炉の規模を 200t/ha と決めていて、委員会の検討は、場所と炉の種類のみということであったが、委員会は、これからの社会の流れを考慮し、リサイクルや生ごみの堆肥化などでごみの減量をする方向で進めば、新炉の規模は 60t/ha で良いとの答申となった。
 このようなことから、燃えるごみを少しでも少なくし、焼却炉も小規模のものとなり、その代わり、生ごみ堆肥化施設が建設されることとなった(合併問題により今だ建設されていない)。また、平成 13 年には、生ごみ堆肥化推進委員会が設置され、収集システムや堆肥化プラント、堆肥の流通システムが検討されているなど、生ごみ堆肥循環の推進も計っている。
 久喜宮代衛生組合は、循環型社会の構築を目指し、ごみ減量、リサイクルの推進をスローガンに「げんりょう ( 原料・減量 ) 化大作戦」を掲げ、大きな流れをつくりつつある。
 ごみの減量は、燃やすごみを少なくする。それには、燃やすごみのなかで大きなウェイトである生ごみを燃やさず、資源として活かす方法を考えることが大切で、それには、自治体の高次元での検討をする組織を設置することが重要であると思われる。

  H.K記 
 

 先進地見学の機会を頂き有難うございました。
 先ず、管理棟の会議室に案内され、ごみげんりょう化の概要で、「ごみ処理の沿革」など資料に基づいて説明を受けましたが、その中で生ごみを台所資源として可燃ごみの中から分別し、堆肥化するための収集に協力する世帯が現在 9880 世帯あると聞いてびっくり。大勢の人の理解を得、協力を得るためにどのようなことをしたのかとの質問に対して具体的な返答がなく、あった筈のご苦労が全然伝わらず、難なく集まったような印象を受けたのはとても不思議なことでした。
 説明を受けた後は、外に出て 50 センチ程に切られた剪定枝を破砕、粉砕しチップにする資源化施設に案内され、私たちのために、投入コンベアー、一次粉砕機、二次粉砕機を動かして砕け方の様子を見せてくれました。最終的に出来上がったものは、少し離れた広場に野積みされ熟成させる。ゆったりとした田園風景が広がる環境なればこそ出来ることと思いました。
 次に案内されたところは、生ごみ堆肥化処理施設・大地のめぐみ循環センター
 ここで拝聴したビデオの中に、住民への説明会の様子があり、グループ代表の方のご苦労を知ることができました。何度も繰り返し機会を持っているようでした。
 プラスチック固形燃料化施設では、作業は見学させていただけませんでしたが、ビニールやプラスチック類を破砕、圧縮して固形物にし、それを民間企業がボイラー用燃料として利用しているとのお話がありました。
 生ごみを減らすため、「コンポスト」「 EM 処理容器」「電気式生ごみ処理機」の購入補助も実施しています。家庭からの生ごみが減ることは燃やせるごみの量が減り小さい焼却炉で済むことになるからだそうです。
 久喜・宮代では、衛生組合というしっかりした機構母体があり一環した施策になっているようですばらしいと思いました。以前には、狭山市、東京都有機農業堆肥センターなども見学させていただきましたが、それぞれ懸命に取り組んでおられます。
 私たち「みんなのごみ部会」でも、先ず、一番身近な生ごみからということで、今までに、たくさんの話し合い、エコペールでの取り組みなどやってきましたが、もっとこれを掘り下げたとしても後に繋がらないような気がして空しさを感じます。入間市はどのようにしようとしているのか私には見えないからです。先進地を参考にさせていただきながら、私たちの地域性や市の計画目標をくわしく教えていただいて、この地に合った、市民に合ったやり方とはどんなことなのか、よくよく話し合って生ごみの堆肥化まで進めて行きたいと願います。
 久喜・宮代の係りの人が別れ際に“ 10 %の人は賛成、 10 %の人は反対、残りの人はどちらでもいい、話を聞いたときの気分でどちらにも転ぶのですよ。難しい問題です”とおっしゃった言葉が耳から離れません。本当に大変なことですが、どうしてもやらなければならない大切な問題だと思っています

  N.M記 
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